ビストロつくしの脳内テーマ曲
作品世界は、読んでくださったみなさまそれぞれの感じ方で、楽しんでいただければと思っています。
ですので、これが正しいとかいうことではなく、それぞれに思い描いていただければと思うのですが、執筆にあたり、自分の中で核になる曲というのがだいたいいつもあります。
言葉にしにくいのですが、雰囲気とか、歌詞の感じであったり、楽器の音色だったり、「これ」と思うのはさまざまですが、「この感じ」という感覚があります。
ビストロつくしでは、「キャラバンの到着」という曲でした。
執筆中はプレイリストを作って、繰り返し聞きながら書き進めるのですが、この曲がはじまると、私の中ではビストロつくしの二人がサーカステントを張りだしたり、キッチンカーで下ごしらえしたり、シェフの調子の外れた鼻歌が聞こえてきます。
聴いていたのは、チェリスト宮田大さんと、ギタリスト大萩康司さんのデュオによる「キャラバンの到着」。
この曲は作曲家ミシェル・ルグランによる映画音楽で、1967年に公開されたジャック・ドゥミ監督によるミュージカル映画「ロシュフォールの恋人たち」の中の一曲です。この作品は、カトリーヌ・ドヌーヴと実の姉フランソワーズ・ドルレアックが双子役で共演したことでも知られています。
「キャラバンの到着」の映画では、こんな感じ。
原曲も映画の雰囲気も素敵ですが、宮田さんのチェロと大萩さんのギターが、曲のエスプリをたっぷり引き出しながら、音にならない余白というか、空気のような部分まで、とても素敵に思えて、たまらないなぁと思いながら、ビストロつくしとの旅を続けていました。
ちなみに、宮田大さんの参加する、「東京チェロアンサンブル」による演奏もとても素敵なので、気に入った方はぜひ聞いてみてくださいね。(このおそろいのパーカー、とても素敵です。背中のf字孔デザインがおしゃれですね。マン・レイの写真のよう)
余談になりますが、映画「ロシュフォールの恋人たち」では、カトリーヌ・ドヌーヴとフランソワーズ・ドルレアックが歌う「双子姉妹の歌」も、チャーミングで大好きです。かわいい。
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