学んだのは、ハンカチだった。
一年を振り返って、「今年はじめて覚えたこと」を数えてみる。
いくつかある。初めて金ペン万年筆を手にしたり、初めてアート作品を自分で購入したり、そうそう、近所にある全国的な観光地にいまさら初めて訪れてみたり。
なかでも、割と使用頻度が多かったスキルは「気に入ったハンカチを買うこと」。
もちろん、今まで一度もハンカチを買ったことがないわけではないが、どちらかというと必要に迫られて(外出して駅に着いた瞬間、ハンカチを忘れていることに気づいたり)増殖する傾向にあった。
それを、「必要に迫られていない時に」「気に入ったものに出会ったら求める」ということを、今年はいまだかつてないほどに、取り組んだ一年だった。……と威張るほどのことでもなく、ふつうは中学生か高校生くらいの時、あるいは社会人になるあたりに「たしなみ」として身に着けるスキルかもしれない。
美しいハンカチをさっと鞄から出す人、というのは、なんともエレガントに思える。
あいにく私は購入しておくスキルを覚えたものの、それを持ち出して使うスキルは、来年に持ち越しだ。いつか鞄からさっと素敵なハンカチを取り出せる人になりたい。
今年もあと数日で終わる。
新しい年がやってくる。
たくさんの感謝をこめて、今年という年を、送り出そう。
その向こうに、どんな時間を過ごす誰にとっても、希望をのせた年がやってくればいいと思う。
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今年もありがとうございました。
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