夢を見ました。


夢を見ました。

芝居という名の夢です。

なまの役者の生のパワーがほとばしるのです。

きらきらと輝く粒のような空気に包まれていたんじゃないかしら。

その粒が吸着するせいでしょう、劇場を出る、笑顔と恍惚感とで興奮冷めやらぬひとびともまた、輝いていました。

その輝きは徐々に心の奥深くにまで染み込んできて、こちらにも生命のちからを与えてくれた気がします。

よおっし、私もがんばろう。

そんな風に思えました。

あの役者さんの「がんばり」に比べたら、私なぞ、ぬるいぬるい。まだまだいける。がんばれる。

そんな風に、気合いも入った一日なのでした。

夢みたい、って言うけど、その夢はふわふわとしたものじゃなく、しっかりと質量と質感があったよ。

素敵な夢だったよ。

だからこちらも、その質量と質感を、大切にしたいと思えるんだ。

夢みたいなことを現実に顕現させる舞台と役者さんに、最大の敬意と感謝を。

おなじ時代に生きていることと、おなじ世代に生まれついたことに、心から感謝したい。


>>>七月大歌舞伎『星合世十三團』市川海老蔵丈

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